2025.02.05 【感想】初夏ものがたり 死者と生者が織りなす初夏の物語初夏の瑞々しい光や雨の描写が印象に残る作品だった。山尾悠子の小説は重厚で難解なものが多いが、本作はむしろ軽やかな雰囲気で物語は展開されていた。個人的には2話目が最も印象的だった。高慢な主人公が未熟さゆえに思い違いを起こす様は自分の青春を思い出すような恥ずかしさもあったが、ラストは爽やかな読後感があるストーリーだった。酒井駒子の挿絵もとても素晴らしかった
2024.04.29 【感想】怪異古生物考 本書は伝説や伝承に登場する怪異の正体を古生物学の視点から考察する内容になっています。ユニコーンやグリフィンなどの西洋のクリーチャーから天狗や鵺などの日本の妖怪まで計9体の怪異が紹介されています。古代の人々が古生物の化石からどのようなプロセスで怪異を想像したのかが綴られています。もちろん、古代人と直接対話したわけでもないので可能性の一つとしての話ですが、どれも大なり小なり納得感はありました。
2024.01.09 【感想】恐竜の世界史――負け犬が覇者となり、絶滅するまで ここ2,3年ぐらい僕は童心に帰り恐竜に夢中になっている。きっかけは2021年に横浜で開催された恐竜科学博だった。ただの暇つぶしで行ったつもりだったけれど、改めて見るティラノサウルスやトリケラトプスの迫力に圧巻だった。かつてこんなにも巨大な生物が地上を闊歩していたと想像するだけで興奮が収まらなかった。そんなこんなで恐竜のことを改めて詳しく知りたいと思い『恐竜の世界史――負け犬が覇